第6章 柱合会議とお食事会
すると先程の鋭い視線が嘘だったかのように優しい笑顔を更紗に向ける。
「俺は不死川実弥、風柱。お前も稀血なんだってなァ。稀血同士、よろしく頼むわ」
「不死川様が稀血の方だったのですね!何か良い対処方法がありましたら、教えていただけると幸いです」
優しい笑顔のまま頷くとポンポンと畳を手で叩き更紗と杏寿郎に座るよう促してきたので、更紗は杏寿郎の顔を見て従っていいのか確認する。
するとすぐに笑顔で頷いてくれたので、更紗は杏寿郎の後に続いて畳の上にちょこんと腰を落ち着けたが……
「なんでてめぇが俺の隣りに座ってんだ?稀血の対処方を教えようとしてんだが?」
「そうか!だが、俺の事は気にせず話すといい!」
実弥は呆れたように溜息をつき、杏寿郎の大柄な体から顔が出るように卓袱台に肘を着いて更紗の視界に入る。
「こいつ、いつもこんなんかァ?」
更紗は考えるように首を傾げて、杏寿郎の家族の事を思い浮かべるも、このような素振りは無いので答えが分からない。
「杏寿郎さんのご家族だと、隣りに座っても何もないです。弟さんとは一緒に料理を作ったりもしますので」
ニコニコとする更紗に杏寿郎の言動を嫌がる素振りは無いので、実弥はまぁいいかと諦めた。