第6章 柱合会議とお食事会
「んっ……杏、寿郎さん」
しばらくの間続け更紗の反応を伺っていると、徐々に呼吸が乱れ、それにならって体を強ばらせるも力はどんどん抜けるようで、懸命に杏寿郎の胸に手を当てそれを支える。
唇を離すとその強張りがゆっくり解け、自分を見上げてくる潤んだ瞳は杏寿郎の体に熱を巡らせる。
(そろそろ……俺が限界だ)
いつまでも潤んだ瞳を見ていたいが、このままだと杏寿郎は自分の理性が暴走すると判断し、離れていた体を抱き寄せた。
「更紗、怖かったか?」
杏寿郎の問い掛けに、更紗は鍛えられた肩に顔を預けながら首を左右に振る。
「少し驚いただけで怖くはありませんでした。少しピリッとしたのですが……一体何を……?」
その疑問を払拭させる為、杏寿郎は再度体を離して自らが着けた花びらのような痕に指で触れる。
「俺の独占欲を体現したようなものだ。自分では見れないだろうから、気になるならば明日にでも鏡で見るといい」
更紗は首を傾げるも気になるようで、素直に頷いた。
「更紗が愛らしくて髪を拭くのが途中になってしまったな。今度こそきちんと拭くから、前に座ってくれるか?」