第6章 柱合会議とお食事会
更紗が風呂から上がり部屋に向かうと、既に杏寿郎は行灯の明かりのみの薄暗い部屋で窓の近くに座っていた。
「戻りました。杏寿郎さんの髪、月明かりに照らされていつもより神秘的で驚きました」
杏寿郎は自分の髪をつまみ見てみるも、自分ではよく分からないのか首を傾げた。
「そうか?俺にとっては更紗の髪が濡れて上気してる肌の方が神秘的に見える」
同じ単語を自分も使ったのに、いざ言われると恥ずかしいのか更紗の顔は更に赤くなる。
杏寿郎はこうなる事を分かって言っているので、思った通りの反応に思わず笑った。
「君は期待通りの反応を返してくれるから、つい虐めたくなってしまうな。そのままだと風邪を引くぞ。拭いてあげるから俺の前に座りなさい」
更紗は悔しそうに少し頬を膨らませるも、すぐに笑顔に戻り言われた通りに杏寿郎を背に座り、顔を少し杏寿郎に向けてニコリと笑顔を向ける。
「ありがとうございます」
「あぁ、一度してみたかったのだ」
そう返事をして杏寿郎は手拭いで髪の流れに沿って水分を拭っていくも、やはり想像した通り風呂上がりの独特な香りに心臓がどんどん強く速く動き出す。