第6章 柱合会議とお食事会
2人は最近ではお馴染みとなりつつある、千寿郎と槇寿郎のお見送りを受けて家をあとにした。
2人で道を歩くのは久しぶりだが、ゆっくりしていては到着が遅くなるので人里を過ぎると鬼師範が顔を出した。
「俺が指示を出さずとも隊服を着てくるとは!さすが俺の継子だ!感心感心!そのまま常中を行いながら走って向かうぞ!」
更紗はこうなることを見越して隊服を着用してきたのだ。
それと言うのも、のんびり宿へ向かおうと思えば鍛錬が終わってすぐ出発すれば良かったところを、わざわざ夕餉の後に出発と杏寿郎が設定したのだ。
宿に着くと鍛錬はもちろん出来ないので、人出が少なくなる夕刻から出発し、鍛錬を行いながら向かおうと言う魂胆が見えていた。
しかも稀血なので、日が沈んでからだと鬼が匂いにつられて出てくるかもしれない。
「杏寿郎さん、もうすぐ日が沈みますよね?鬼が出てきた時は……?」
「うむ!雑魚鬼ならば更紗が倒せ!手間取るような鬼ならば俺が滅するから心配ない!」
「よろしくお願い……致します」
さすがは柱。
鬼とは幸か不幸か遭遇しないまま宿の前に到着するも、更紗は倒れそうなほどフラフラなのに杏寿郎は余裕の笑顔であった。
「よくやった!さぁ、宿で風呂を借りて少しゆっくりしよう」
倒れそうな更紗を引っ張って宿に入っていった。