第6章 柱合会議とお食事会
「それはいいな。柱合会議があるから楽しんで来いとは言えぬが、共に甘味処くらいは行けるといいな」
槇寿郎の言葉に更紗は頷き、杏寿郎に視線を向ける。
「はい!その時は杏寿郎さんにもお義父さまにも千寿郎さんにも、お土産を買ってきますね!お給金をいただけたので」
初のお給金は多くはなかったが、人生で初めて貰えたそれで煉獄家の皆に小さなものであっても買おうと考えていたのだ。
「俺の物はいいから、父上と千寿郎に買ってくるといい!浮いたお金で好きなものを買いなさい」
だが、更紗は首を左右に振る。
「杏寿郎さんの分も私の分も買って、今度は皆でお茶をしましょう。食事もですが、お菓子も皆で食べた方が絶対美味しいですよ!」
更紗の言葉に煉獄家一同目を丸くするが、一瞬後には笑顔になった。
「更紗さん!僕、楽しみにしています!皆で食べましょうね」
千寿郎と更紗はニコニコと笑い、そこはホワホワした空気が流れている。
杏寿郎は笑顔のまま父親の顔を見ると、父親も笑顔のままこちらを見ていた。
「父上、皆で食べましょう。よろしければ私も成人しましたので、今度、酒も付き合って下さい」
槇寿郎は照れくさそうに笑いながら頷いた。
「あぁ、どちらも悪くないな」
こうして和やかなまま時は過ぎ、杏寿郎と更紗が旅立つ時間となる。