第6章 柱合会議とお食事会
更紗は箱膳の上の食事を槇寿郎の前に並べ終えると、もともと座っていた場所、今は槇寿郎の前に座りなおす。
「家族揃ってお食事って素敵ですね!……あ、あの!この煮物は千寿郎さんが味付けをして下さって、すごく美味しいのですよ」
しばしの沈黙が流れるも、このままではせっかく槇寿郎が来たのに明日からまた自室に籠ってしまうと感じ、杏寿郎が口を開く。
「確かに!千寿郎の味付けはいつも美味いからな!父上も冷めぬうちにいただきましょう!」
ようやく皆が手を合わせて食事を始めるも、3人は親子で食事をとる事が久しぶりすぎて会話が出てこない。
しかしそこは無邪気に喜んでいる更紗の出番である。
「お義父さま、杏寿郎さんから既に伺っているかもしれませんが、私もお館様に柱合会議にお呼ばれされたので、杏寿郎さんと夕餉の後に出発します」
ニコニコとしているので、槇寿郎は首を傾げる。
普通ならば柱合会議など、一般の剣士が呼ばれて喜ぶものでは無いのでその反応は普通だろう。
「嬉しそうに見えるが、柱合会議に呼ばれるのがそれほど嬉しいのか?」
「いえ!柱合会議はちょっと怖いのですが、恋柱の蜜璃ちゃんや蟲柱の胡蝶様とお会い出来るのが楽しみで。蜜璃ちゃんはこの前、甘味処に誘ってくれたのですよ」