第5章 色変わりの刀と初任務
気持ちよく2人で眠っていると
バスッ
と言う聞いた事のないような音で無理やり覚醒させられた。
「な、何の音だ?!」
2人が飛び起きて部屋の中を見回すと、縁側に続く今は閉じられている障子に何かが突き刺さっている。
「あ、あの……杏寿郎さん。申し訳ございません!私の鎹鴉です!!」
なんと突き刺さっていたのは、先日更紗が賜った鎹鴉だった。
しかも鎹鴉は身動きが取れないのもあるだろうが、突き刺さったままピクリとも動かない。
「アハハ!!更紗の鎹鴉は更紗と似ておっちょこちょいだな!君の鎹鴉だ、早く助けてあげるといい」
「はい!」
(杏寿郎さんのお部屋の障子が穴あきに!後で貼り直さなくては……)
心の中で涙を流しながら障子の裏側にまわりゆっくりと鎹鴉を解放してやる。
「オ手数ヲオカケシテスミマセン……任務ヲタマワッタノデオお知らせにマイリマシタ」
話し口調まで更紗にそっくりで、杏寿郎は思わず笑いそうになるも任務と言う言葉に目を鋭くさせる。
更紗も鎹鴉を胸に抱いたまま表情を険しくさせた。