第5章 色変わりの刀と初任務
ふむ……と一瞬考えるも首を左右に振り、手招きをして更紗を近くに呼び、その目線に合わせるように屈んだ。
「宇髄はもちろん柱に悪い人はいない。だが、個人の情報を話すならば本人へ確認は必要だ。君は優しすぎる。優しさは人の心を温かく出来る素晴らしいものだが、いけないことをいけないと言えるのも1つの優しさだ。君の優しさに付け上がる輩もいるから、気をつけなくてはいけない。……だが更紗の誰にでも向けられる優しい所にも俺は惚れているのだから難しいものだ」
周りには千寿郎、天元、蜜璃がいるのだが、杏寿郎はまるで更紗しか見えていないように、いつものようにフワッと頬を撫でる。
これでは諭しているのか、ただただ更紗を愛でたいのか分からない。
「兄上、そのままでは更紗さんがどんどん赤くなってしまいますよ」
「む、困ったな」
「え、なになに?!2人はどう言う関係なの??」
千寿郎の言葉通りに更紗はどんどん顔が赤くなってしまっている。
そしてやはり天元には見せたくないようでソッと更紗の顔を隠すように胸元へと抱き寄せた。
「甘露寺、更紗は俺の継子であり許嫁だ」