第5章 色変わりの刀と初任務
「おぉ!甘露寺、久しぶりだな!元気だったか……って何だよ?!なんで俺の前で派手に仁王立ちしてんの?」
杏寿郎は居間に入るなり、何にも目もくれず迷うことなく天元の前に移動し、現在は仁王立ちして見下ろしている。
「聞きたいことがあるのだが、聞いても構わないだろうか?!」
眼力だけで有無を言わさぬ圧を放っている。
一応疑問形だが、もう既に疑問ではなく命令に近い。
「何だよ?!てか、答えるまで質問が続くの目に見えてんだけど」
「聞きたいことがあ」
「分かったよ!何だよ、聞きたいことって」
オウムのごとく同じ言葉を繰り返そうとする杏寿郎の言葉を遮り、観念したように頭を掻きながら面倒臭そうに杏寿郎を見上げた。
「更紗の事を話すのは構わないが、本人の許可は最低限必要だと思う!!もし、これから他の柱にも話すならば、更紗に確認してからにしてもらえないか?!」
当の本人である更紗は全く気にしていない。
蜜璃にいきなり名前を呼ばれた事には驚いたが、それだけなので問題はない。
「あの、杏寿郎さん、私なら大丈夫ですよ?驚いただけで嫌な気持ちとかはないです」