第5章 色変わりの刀と初任務
その瞬間、蜜璃の周りにお花がパァッと咲き乱れる。
「そうなの?!詳しく聞きたいわ!!教えて教えて!」
「そうしたいのは山々だが、俺はまだ宇髄に話がある!」
「グェッ!!」
自分から気が削がれているこの時を狙って、天元はコッソリと縁側から逃げ出そうと動き出したが、杏寿郎の空いている方の手で着物の首元を捕まれ阻止されてしまった。
「千寿郎、甘露寺と話すのも久しいだろ。台所から菓子を持ってきて話していてくれないか?」
千寿郎は嬉しそうに頷くと、蜜璃に座って待つように言って台所へと急いだ。
蜜璃はチラチラと顔を赤らめながら杏寿郎と更紗をみているが、今から杏寿郎によって天元が叱られる事が決定しているので大人しく座っている。
「杏寿郎さん、すごく恥ずかしいのですが……」
更紗の小さな抗いは受諾されなかった。
「慣れてもらえると助かる!さて、宇髄、話の続きをしようか!」
「もうよくない?!反省してるって!!ってか……今から他の柱に知らせる必要ねぇんだわ」
「どういう事だ?!」
「もう派手に全員に話しちまった!」
もう杏寿郎は溜息を吐くことしか出来ない。