第5章 色変わりの刀と初任務
雑魚鬼に分類される鬼でさえ一般の人からすれば脅威に違いないのに、それ以上に強く力をつけた鬼がいると言うことに更紗は身震いするも自分が望んで入った世界だ。
目を背けるわけにはいかない。
「その力というのはどう言うものでしょうか?」
「力といってももちろん更紗の力のように人を救えるものではない。だがこの力を使うと断言は出来ん。鬼それぞれ能力が違い、出してくる血鬼術も様々だ」
それでは対策を練ることは出来ないのか……と難しい顔で更紗は考え込む。
現場で直接見てどのような血鬼術を使うのか確認し、適宜対処していくしかない。
その場の判断能力がものを言うのだ。
「その血鬼術を見せようと俺の任務に同行させたが、運悪く全て使えぬ鬼だけに終わってしまった。しかしそれを嘆いてるばかりにもいかない。俺が毎回更紗の任務に同行出来ないことは理解出来ているな?」
更紗は慎重に頷く。
ただでさえ柱として一般剣士より多くの任務につき、より強い鬼と闘っているのだ。
柱の継子であっても一番下の階級の剣士の任務に毎回同行するほど杏寿郎には暇はない。