第5章 色変わりの刀と初任務
「失礼致しました。鉄穴森様、今度お会いする時はお菓子をお持ちしますので、ぜひご一緒してくださいね」
なんともフワフワする更紗の独特な雰囲気に、杏寿郎が穏やかな口調、雰囲気になる気持ちが分かったような気がした。
「お気遣いいただきまして、ありがとうございます。その時はご相伴にあずかります」
「鉄穴森さん!道中お気を付けて!また更紗と共に顔を出すので、それまで元気に過ごされてください!」
そうそう、これこれ、と杏寿郎の話し方を聞いて思わず笑顔になる。
鉄穴森は1度頭を下げ、ようやく帰路へ着くも2人は笑顔で寄り添って姿が見えなくなるまで見送っていた。
2人は見送りを終えると居間へと戻って行った。
そこでは更紗の刀について楽しそうに話している天元と千寿郎の姿があった。
「煉獄!派手に良かったじゃねぇか!!姫さん、紛うことなき炎柱の継子だったな!俺は姫さんの技を見て、てっきり派生かと思ってた!」
杏寿郎は首を傾げ何かを考えるも、すぐに向き直って答えた。
「派生であっても正当な炎の呼吸であっても問題ない!独創的過ぎなければ、どのような呼吸でも継子として迎える事は可能だ!それに、万が一甘露寺のように独創的であったとしても、更紗は俺の継子から外すつもりはなかったからな!」