第2章 追い風
勢いのある言葉に煉獄は太陽のような笑顔となって大きく頷いた。
「うむ!いい心がけだ!そこまで望むのならば、俺が育手となって月神少女を立派な鬼殺隊剣士にしてやろう!」
そう言って更紗に向かって手を差し出すも、伝わらないようで煉獄の目と手を交互に見て困惑している。
「む、握手と言って、互いによろしくとか健闘を祈るという時に手を握りあうのだ!ほら、月神少女も俺の手を握り返し互いの健闘を祈ろう!」
自分から煉獄の手を握るのは初めてなので、恥ずかしそうに頬を赤らめながらもソッと握った。
その様子に煉獄は満足そうに頷いて力強く握り返す。
「互いに切磋琢磨して成長し合おう!そして我が家に関しては心配いらない。俺は鬼殺隊の剣士を導く立場の柱だ。弟は鬼殺隊隊士ではないが、聡く優しい子、父は俺の前の柱だ。そこらの鬼が万が一来たとしても返り討ちにする力がある。何の心配もせず来るといい!」
その言葉に更紗は自然と、可愛らしい年相応の満面の笑みを浮かべた。
「ありがとうございます!精一杯頑張りますので、よろしくお願いします!」
「うむ!任せておけ!そして月神少女、笑顔は人を安心させたり元気にする事が出来る。無理に笑う必要は全くないが、嬉しい事は嬉しい、嫌な事は嫌だと意思表示する努力もするように!」