第5章 色変わりの刀と初任務
「鬼畜という名の鬼を滅しに行くところだが!!」
面白いものを見れたと言わんばかりの表情で、縁側から軽い身のこなしで部屋へと天元が上がり込んできた。
「落ち着けって、ほら、これ見てみろ」
天元から中身の入った風呂敷を渡され、多少気がそがれたのか落ち着きを僅かに取り戻し、風呂敷を解いていく。
すると中から出てきたのは、スカートに違いはないが更紗が着用すると膝丈くらいの長さになるであろう物だった。
杏寿郎はそれを持って隣の部屋へ向かうと、更紗へと渡しすぐに帰ってきた。
「宇髄、感謝する!後1歩遅ければ、俺は柱に喧嘩を売る鬼畜に炎刀を振るうところだった!」
そう言うも、いまだに怒りはおさまっていないようで顔は笑っていない。
「まぁまぁ、姫さんの鬼殺隊としての晴れ姿見て落ち着けよ。もう着替え終わってんだろ、行ってこい」
「うむ!君達はここから動かぬように!」
あわよくば付いてこようとしていた天元をしっかり居間へと押しとどめ、隣りの部屋へ意気揚揚と向かっていった。
「千寿郎、お前の兄貴、あんな単純だったか?」
天元の問い掛けに千寿郎は首を左右に振る。
「更紗さんに関することだけです」