第5章 色変わりの刀と初任務

修繕してもらっていた着物まで全て着用してみるも、やはり下半身の露出が多いよう思える。

「これで任務に出ると、中が見えそうなのですが……」

スカートの裾を頑張って引っ張るも、伸びる訳もなく短いままだ。

「と、取り敢えずお2人にお披露目の前に、杏寿郎さんに人前に出ていいものか判断してもらいましょう……」

更紗はソロソロと足音を立てないように、2人のいる部屋の隣の部屋へ入って1度深呼吸をして気持ちを落ち着かせる。

そうして壁に向かって、向こう側の部屋に届く声で杏寿郎を呼んだ。

「杏寿郎さん！ちょっと隊服の様子がおかしいのです！先に確認していただけますか？」

すると慌てた様子で杏寿郎が更紗のいる部屋へ勢いよく入ってきた。

「更紗！様子がおか……しいと言うの……は……。何だそれは？！」

杏寿郎は慌てて更紗が羽織っていた着物を脱がせ、腰に巻きつけている。

「すごく短くなっているのです……これで任務には」

「行けるわけないだろ？！」

杏寿郎は更紗をその部屋に待機させたまま1人居間へ戻り、隊服が包まれていた風呂敷をバザバサと振り、中に何か残っていないかを確認する。