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月夜の軌跡【鬼滅の刃】

第4章 鍛錬と最終選別


そこには既に着物を気流した杏寿郎が腰を下ろしていた。
たった1週間ぶりのはずだが、更紗はひどく懐かしくすごく愛おしく感じた。

「そこに座りなさい。手当をするから傷口は全て見せるんだ!小さな怪我も鬼にやられたのなら、しっかり手当しておかなければ後で酷くなってもよくないからな!」

トントンと杏寿郎は自分の前に置いている座布団を手で叩いて、更紗をそこに座るように促す。

そして促された場所へ座り、杏寿郎に1つずつ丁寧に怪我の処置をしてもらっている。

「杏寿郎さん、私、謝らないといけないことがあるのです……」

その言葉に杏寿郎は手当する手を止め、更紗を見つめる。
謝ることと言っているのに、すごく穏やかな表情をしている。

「どうした?」

「せっかく杏寿郎さんがご用意して下さった着物と袴、泥だらけで所々破れてしまいました。あと刀も……半分の所から折れてしまったのです」

杏寿郎は、あぁと思い出したように短く声を発するも、怒っている様子は全く感じとれない。

「あれはどちらも最終選別で更紗を生き残らせる為の物だ。それで更紗が無事に帰ってきたのだ、壊れても破れても誰も怒らないし嘆かない」
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