第4章 鍛錬と最終選別
開始場所へ辿り着くと、更紗は炭治郎の姿を見つけ互いに無事を喜び合った。
その後、黄色い髪の少年にも礼を言おうと声を掛けるも酷く脅えていて更紗の声は届かないようなので、一方的に名前と礼の言葉を残し事の成り行きを見届ける為に炭治郎の隣に立ち、時間を潰した。
残ったのは自分を含め5人だけだった。
(他の人は全員、鬼に……)
杏寿郎が言っていた事が身に染みて分かった。
生存率が著しく低いとはこういう事だったのだと思うと、今更ながら恐怖が混み上がってきた。
それから開始の時に出てきた2人の美しい幼子から鎹鴉を付けてもらい、美しい幼子のうちの白い髪の子と、目付きが鋭い子と炭治郎の間で一悶着あったが、日輪刀の元となる玉鋼を自身で選び、隊服を配布されようやく最終選別が終了した。
「また会おう!更紗!」
疲れながらも大きく手を振ってくれる炭治郎に、更紗も笑顔で手を振り返す。
「帰り道お気を付けて、炭治郎さん!またお会いしましょう!」
そうして合格者全員と別れ、来た道を戻る。
まだ早朝だが急がなければ夜までに煉獄家に間に合わない。
夜になると稀血である更紗は鬼に襲われる危険があるので、日が暮れる前にどうしても帰る必要がある。