第4章 鍛錬と最終選別
声音までも優しく思わず笑顔になった。
「私は月神更紗と申します。お名前を伺ってもよろしいでしょうか?」
その少年は勿論と言うように笑顔で頷く。
「俺は竈門炭治郎、辛い試験だけど互いに頑張ろう!」
そう言って走り去ろうとするが、袖を掴みそれを阻止する。
「更紗、どうしたんだ?不安なら一緒にいるか?」
その問いかけに、更紗は首を左右に振り否と答える。
代わりに右手を炭治郎の血が出ている額に当て、傷を治癒していく。
「え?!更紗、君は一体……傷が治ってる!わぁ!!凄い力だね!本当にありがとう!!」
初見でこんなにも喜ばれたことが無かったので、少し恥ずかしいと感じながらも笑顔で返す。
「いえ、炭治郎さんが眩しいくらいに優しくて、思わず治癒してしまいました。誰にも秘密でお願いしますね!」
頷くのを確認してペコリと頭を下げ、炭治郎から離れて行く。
「本当にありがとう!!最終日、また必ず会おう!」
鬼に見つかりますよーと思いつつも、振り返り大きく手を振り返し、互いに互いが求める場所へと走り出す。
「早く東の高い場所へ!!」