第4章 鍛錬と最終選別
更紗に色々な意味で恐怖を感じながら起き上がらせると、罰として昼餉の後に1人で庭を片付ける事と言い残し杏寿郎は家の中へ入っていった。
「あんなに苦労したのに、1つも掛かって貰えませんでした……やっぱり落とし穴を作ったり、石の代わりに丸太や竹を飛ばさないと無理なのでしょうか??」
杏寿郎はその声をしっかり拾っていた。
(庭を血みどろにするつもりなのか?!)
一瞬冷や汗が出たが、さすがにそこまでは用意する事は出来ないだろうとホッと息をついて風呂場へと向かった。
「うーん……皆さんが寝静まった頃に穴を……さすがに人様のお家の庭に穴はいけませんよね。あ!!それなら明日は薪用の太めの木を使ってみましょう!」
杏寿郎の知らないところで、どんどん殺傷能力の上がる罠の案を思いつく更紗であった。
「今はひとまず何をするにもお食事です!お腹は常に満たしておかなければですし」
そうして更紗は気を取り直し、元気に台所へ千寿郎の手伝いをしに向かっていく。
誰も死なないことを祈るばかりだ。