第4章 鍛錬と最終選別
天元の言葉に杏寿郎は思案するも、いい考えがなかなか浮かばない。
「だが、生きているということは更紗に俺から伝える!心苦しいが、理由を話せば会わせてやれない事も納得してくれるはずだ!」
天元は笑顔で頷くと杏寿郎の肩を叩いた。
「そうしてやってくれ!俺からすれば派手にお前の気持ちを早く伝えて欲しいもんだがな!!」
相変わらず天元の軽口に対して、杏寿郎は耐性がないので大きく反応してしまう。
「先程、改めて最終選別を超えてからと決めたのだ!!それまでは伝えんし手も出さん!」
天元は面白くなさそうに半目で杏寿郎を見る。
「いやいや、最終選別前に派手に接吻の1つでもして、無事に帰って来い!くらい言ってやれよ。女がてら戦場に1週間赴くんだぞ?」
ふぅむと杏寿郎は悩む素振りを見せたので、天元は内心ウキウキしている。
出来ればその現場を見せて欲しいと下世話な考えも浮かんでいた。
「俺は決めた事を曲げん!!しかもそれは俺の想いを更紗が受け止めてくれなければ出来ん事だ!」
あまりにも硬い考えの杏寿郎に天元は溜息を着く。
「どう見ても姫さんも煉獄の事を好いてるだろ?!それに受け止めてくれなくても接吻の1つでもしてやりゃあ、派手にコロッと落ちるだろ!!」