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月夜の軌跡【鬼滅の刃】

第4章 鍛錬と最終選別


「端的に言うと、姫さんの親が見つかった。両親とも健在で、おそらく村人も一緒だと思われる。あの村から離れ、人里離れた場所で穏やかに生活してる」

それを聞いて杏寿郎は天元に顔をグッと近付け、先程の沈んだ表情はどこかへ吹き飛ばしていた。

「それは本当か?!それならばすぐにでも連れて行ってやらねばな!」

「ちょっ!お前近いって!男と顔を近付けても嬉しくとも何ともねぇ!」

そう言われて杏寿郎は前のめった体を戻し、天元の言葉を待った。

「ふぅ……まぁ、見た感じは元気そうだったが、一人娘を攫われて10数年経つ。精神的にはかなり参ってる感じだった。俺の嫁がちょっとばかし話し掛けに行ったが、覇気はねぇし飯も必要最低限しか2人ともとってなさそうだった」

「なるほど……簡単には更紗に会わせてやれんかもしれんな。人里離れた場所に更紗を連れて行き、そのまま返したくないと言われれば引き離すのも一苦労する。かと言ってこの家に継子以外を住まわせるわけにもいかんからな」

ようやく落ち着きを取り戻した炎柱に天元は安堵した。

「そういう事。俺達は柱だ。家の者以外を全て守れるほど手は空いてねぇんだよ」
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