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月夜の軌跡【鬼滅の刃】

第2章 追い風


その視線は気になるが、更紗の不思議な行動に一々反応していてはいつまでも話が進まないため、気にしないことにする。
更紗もその答えを言いたかった訳ではないので、元の静かな表情に戻し話し出した。

「初めて見た人は、私の自己再生能力が異常に高いのだと勘違いをされますが、似て非なるものです。私の体が勝手に傷を治しているのではなく、私の意思で治癒しています」

そう言ってなんの迷いもなく自分の指の腹を噛み切る。
いきなり瞬きをするかの如く自然とするものだから、煉獄は止めることすら出来なかったのだ。

「何をしてる!?早く止血を」

「大丈夫です。これくらいなら3秒もかからず跡形もなくなります。それよりも今の私の噛み切った指はすでに10秒たっているのに、先程の傷のように完治しておりませんよね?」

煉獄は目を見張った。
鬼に切り付けられた傷は10秒も掛からず完治したにも関わらず、小さな傷は治ることなくゆっくり血を流し続けている。

「一体どうなってる?」

顔を右に左に動かして傷を確認するが、一向に治る気配がない。

「私の体は一般の方と変わりません。このまま放っておけば完治までに数日かかりますが、こうすると……」
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