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月夜の軌跡【鬼滅の刃】

第4章 鍛錬と最終選別


更紗は杏寿郎のあまりの勢いに目を丸くするも、師範の技を1度で覚えるのだと言うように真剣に杏寿郎を見つめる。

「はい!よろしくお願いします!」

杏寿郎はそれを確認すると、自らのベルトに差している刀を鞘から抜き取った。
1度深呼吸をして気持ちを落ち着け、柄を握る手に力を入れる。

「炎の呼吸 弐ノ型 昇り炎天!」

刀を下から上へ振り上げると、その軌道に沿って燃え上がるような炎が上がった。
まるで円を描くような綺麗な太刀筋、炎の残像に更紗は瞬きをすることも忘れ見入ってしまった。

「これが炎の呼吸 弐ノ型 昇り炎天だ。やってみなさい」

そう言う杏寿郎の顔は、以前見せていた鬼師範の顔ではないように天元にはうつった。

(なんか……もう可愛くて仕方ねぇって顔しかしてねぇな。煉獄の鬼師範ぶりも変えるほどの姫さんはすげぇな)

そんなことを考えていると、更紗の声が響く。

「炎の呼吸 弐ノ型 昇り炎天」

杏寿郎に比べると太刀筋にブレが見えるが、初見で初めて技を発動させたのであれば十分な出来栄えだ。
そして、やはり更紗の炎は杏寿郎とは違い、燃え上がらずに刀の軌道に沿って静かにまるで彗星のような軌跡を生み出している。
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