第4章 鍛錬と最終選別
しのぶから更紗の現状を聞かされ、杏寿郎の気持ちも分からなくはないからだ。
(まぁ、俺の嫁達がそんな目に遭わされてたら、俺ならこれくらいじゃすまねぇけどな……)
そんな思いを1人巡らせている間に、2人の会話は進んでいく。
「杏寿郎さん、私は大丈夫ですよ。天元様が私の手を痛めないように弾いてくれたみたいです」
ニコッと杏寿郎と天元に更紗は笑顔を向ける。
「そうか!さすが宇髄だな!怪我がなければそれでいい!続けられそうか?」
更紗は真剣な表情に戻り柄を握りしめて頷く。
「はい!よろしくお願いします!師範、天元様!」
その言葉にようやく杏寿郎は天元へ向き直る。
「宇髄、君の時間が許すならば、もう少し付き合ってくれるか?」
その言葉を待っていましたと言わんばかりに、天元は両肩に武器を乗せ笑顔で頷く。
「あったりまえだろ?!こんな派手に面白ぇ事を半端に帰れるかっての!次は何を使ってくる?!」
杏寿郎は考えるように顎に手を当てる。
まだ更紗には壱ノ型しか使えないが、違う型も見せれば出来るかもしれないと考え2人に視線を向ける。