第4章 鍛錬と最終選別

杏寿郎の言葉に槇寿郎は表情を険しくして体ごと2人に向けると、杏寿郎に言葉を発した。

「特殊な体質がどのようなものか知らんが、元は普通の少女だろ？その少女をお前は鬼殺隊に入れるのか？」

槇寿郎の言わんとしている事は杏寿郎も分かっている。
普通の少女を守るだけならば、煉獄家にとって負担にならない。
元柱と現柱がいるのだから、わざわざ命の危険が多い鬼殺隊になぜ入れる必要があるのか……と聞きたいのだ。

杏寿郎はグッと体に力を入れ、それに答えようと口を開くが声を出す前に更紗によって遮られた。

「ご当主様、私は稀血です。それが原因で……人が亡くなりました。あのような思いはもうしたくありません。そして、他の人にも私と同じ気持ちを味わって欲しくありません」

更紗は槇寿郎の様子を窺うも、厳しい表情であるが先を促しているように感じたのでそのまま続けた。

「煉獄家の方に守られている間に、他の場所で鬼に襲われ苦しんでいる人がいると思うと胸が痛くなります。私は……」

「君が鬼殺隊に入って人を助けに赴いたとしても、間に合わない事は多いが耐えられるのか？」

更紗の言葉を切る槇寿郎の声音は厳しいものだ。