第4章 鍛錬と最終選別
次の日の現在、しのぶの家へと出かける前に槇寿郎が自分達に握り飯を作ってくれたこと、心配して声を掛けてくれた事への礼と、更紗が炎の呼吸を発動させた事を報告する為に、槇寿郎の部屋へ更紗と杏寿郎の2人で訪れていた。
「父上!握り飯とご心配ありがとうございました!」
縁側に座り2人に背を向けている槇寿郎の体がピクッと反応する。
返事はないが髪の隙間から見える耳が赤くなるのが2人から見えたので、そっと見つめ合って笑みをこぼすだけで終わらせた。
「後は昨日の任務についてですが」
杏寿郎のその言葉に、ようやく槇寿郎が顔だけであるが2人の方に向けてきた。
「無事に完了致しました。鬼は二体出現し、一体に関しましては更紗が炎の呼吸を使い滅しました」
「……?!そこの華奢な少女がか?」
思わず発してしまったのだろう。
気まずそうに僅かに顔をしかめている。
しかし発してしまったのならもう戻すことが出来ないと諦め、杏寿郎の返事を待った。
「はい。甘露寺とはまた違う特殊な体質ゆえ、この細腕でも炎の呼吸の使用が可能です。今は未知数な事が多いので様子を伺いながらとなりますが、精神、肉体的共に炎の呼吸を会得するのに足り得る人物です。最終選別突破後、正式に継子として迎え入れたいと考えております」