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月夜の軌跡【鬼滅の刃】

第4章 鍛錬と最終選別


「指南……書?」

ポカンとしている。
それもそのはずで、杏寿郎もまだ読ませるつもりがなかったので保管場所はおろか存在すら更紗に明かしてはいない。
読ませるとしても型を全て教えてから、深く理解させる必要が出てきた時に読ませようと考えていたからだ。

「あの時の鬼の狙いは間違いなく私でした。その鬼に杏寿郎さんやあの子が傷付けられたらと思うと……怖いやら何やらで頭に血が登りまして……咄嗟に直前で杏寿郎さんが放ったものが頭に浮かび、いつの間にやら体が勝手に動いていました」

つまり2人の人間を守ろうと、見よう見まねで発動させたのだ。

「百聞は一見に如かずという事か!君はいつでも人を慈しむことの出来る少女だな。うむ!情熱に溢れた、炎の呼吸を扱うにも鬼殺隊剣士にも足る人間だ!」

努力はどれだけしても足りないのが鬼狩りの世界に生きる者の定めだ。
しかも努力をどれだけしても、それが報われるかはその人物が持って生まれた素質に左右されてしまう。
更紗はその点では他の剣士達よりも、恵まれた素質を持ってこの世に生を受けたのだ。

「今考えてみると、杏寿郎さん1人で対処出来るくらいの強さの鬼だったのだと思うと少し恥ずかしいです」
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