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月夜の軌跡【鬼滅の刃】

第26章 月と太陽


全ての演武は日が高いうちに終了した。

皆で昼餉を取り疲れ果てるまで柱たちに遊んでもらった朱莉は日が落ちて直ぐに船を漕ぎだし、今は新煉獄家の寝室で夢の世界の住人となっている。

更紗と杏寿郎はその部屋の縁側に腰掛け、静かに寄り添って空を見上げている。

「今日は気持ちのいいお天気でしたね。杏寿郎君みたいな……私の大好きな春の陽射しでした」

「何年経っても更紗は俺を喜ばせてくれる」

そう言って杏寿郎が更紗の頬に触れ軽く重なるだけの口付けをすると、数年前と変わらず顔を赤らめ恥ずかしげに瞳を潤ませた。

「俺は幸せだ。心から好いた女子が妻となってくれ、朱莉と言う可愛らしい宝物を命懸けで産んでくれた。よもや出会った当初は君とこんなに幸せな家庭をもつとは想像もしていなかった」

「私もすごく幸せです。杏寿郎君の妻としてお側にいさせてもらえ、朱莉ちゃんを授けてくださいました……確かに出会った当初はこんなに杏寿郎君のことを好きになり、絵に描いたような幸せな家庭を持つだなんて思いもしなかったです。そう言えばあの日の空にも今と同じ、綺麗な満月が浮かんでいましたね」

空に視線を戻した2人の瞳に映るは、無数の星々に囲まれ優しい光を放つ綺麗な満月。
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