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月夜の軌跡【鬼滅の刃】

第26章 月と太陽


朱莉たちに見守られながら2人は向かい合って木刀に手を添える。

「ここ数年毎年見ているが、本当によく似合っているな!」

「ありがとうございます!でも杏寿郎君もいつ見てもお似合いですよ?」

2人が惚気あっている理由。
それは演武のためにお館様からいただいた衣装にあった。

白地の着物に裾から帯にかけて、それぞれの柱の呼吸を模した模様と色で染め上げられている。
裾は演武の際に邪魔にならぬよう片側をつまみ上げ日輪刀の鍔と同じ形の留め具で留めており、内側に染め入れられた象徴色がよく見える。
……生足が見えないよう、これまた揃いの黒いズボンを支給されているので、2人はそれをちゃんと着用して演武に挑む。

「更紗に褒められると嬉しくて抱きしめたくなる!」

「フフッ、演武が終わりましたら抱きしめてくださいね」

相変わらず仲のいい2人の会話が終わるのを待っていたかのように複数の楽器が音を奏で始め、それに伴って互いを見つめる瞳は真剣味を帯び薄らと現役時代と同じ痣が浮かび上がった。

そうして数秒後、音楽に合わせて2人は同時に足を動かし木刀を抜き出して打ち合い……呼吸の型を壱から舞を交えながら繰り出していく。

炎柱と紫炎柱の木刀から噴き出した技の残影は、似て非なる橙の鮮やかな炎だった。
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