第4章 鍛錬と最終選別
千寿郎はそれでも更紗が技を出せた事に喜び、興奮状態だ。
「鬼を倒してきたのであれば、兄上も更紗さんもお疲れでしょう?夕餉もお風呂も用意してるので、ゆっくりして下さい!また明日以降、疲れが取れて落ち着いたらお話しを聞かせてくださいね。今日は僕、お先に失礼させていただきます」
と矢継ぎ早に話して笑顔で廊下を歩いていく。
いつもと違う千寿郎の雰囲気に更紗は首を傾げているが、杏寿郎がその肩をポンと叩いて意識をそちらに向かわせるようにした。
「今ここで話すより、先に風呂に入ろう。千寿郎が用意してくれている夕餉を食べながら話す」
杏寿郎はいつも通りの笑顔だが、少し更紗は違和感を感じた。
しかし杏寿郎がそう言うのならば、その方がいいのだろうと思い頷いた。
「でしたら、お先にお入りください。私はあと少し、手足がいつも通り動くようになってからいただきますので」
「そうか。ならば後程な」
ようやく2人は草履を脱ぎ、各々の目的の部屋へ移動し、夕餉をとる準備を進めていった。