第26章 月と太陽
「それなら大丈夫ですよ?作って下さったのが私の隊服を担当してくれていた裁縫係の方なので!私の体型が変わらないか……それだけが心配要素です。能力もなくなり鬼殺隊にいた時より体を動かしていないのに……食欲が変わらないんです」
最近の更紗の唯一の悩みだ。
今のところ体型を維持しているものの、いつ何時フカフカな体型になるかと戦々恐々としている。
「むしろ更紗はもう少しふくよかになっても問題ないと思うぞ?それに俺が人より多く食べるので、君が少食になってしまったらつまらん!体型が気になるならば共に鍛錬に励めば問題ない!」
甘やかしてもらってるのか厳しくされてるのか微妙なところである。
しかし更紗はここ2年ほど毎日欠かさず任務や鍛錬を行っていたので、鍛錬が習慣となっており全く嫌がる素振りはない。
むしろいい案だと顔を綻ばせるものだから、槇寿郎と千寿郎は苦笑いだ。
「兄上たちはこれから先もずっと体を動かしていそうですね!」
「そうだな……健康にはいいだろうから理想的な形では……あるが。孫を見ることは出来るのだろうか」
小さな槇寿郎の呟きに杏寿郎と千寿郎は苦々しい笑顔を浮かべ、更紗は未だによく理解していないので1人首を傾げている。
そんな話をしながら鬼殺隊隊士たちの……棗たちの墓参りも終わらせ、月日は流れていった。