第4章 鍛錬と最終選別
こうして無事にたどり着いたのだが、緊急任務が入ったことにより夕飯時をとっくに過ぎており、家近辺に明かりは着いてるものの人通りはなくなっている。
「ただいま戻りました!」
「ただいま戻りました」
ガラッと玄関を開けて、杏寿郎の声と控えめな更紗の声が廊下に響くと奥からドタドタと騒がしい音が鳴り響いたかと思うと、千寿郎が走りよってきて、槇寿郎は廊下の端っこからこちらを覗き込んでいる。
「お帰りなさいませ!帰りが遅かったので心配していました」
眉を下げているので、言葉がなくても心配していたのだとすぐに分かる表情だ。
「帰りに緊急任務が入ってな!2人で鬼を倒してきたぞ!」
その言葉に千寿郎と槇寿郎が息を飲むのが分かった。
槇寿郎は何か言いたそうに口をパクパクさせているが、残念ながら声に出すことが出来ず、ムッと眉をひそめて奥へと引っ込んでしまった。
その様子を杏寿郎と更紗が不思議そうに見つめているのに気付き、千寿郎が説明する。
「父上、心配されていましたよ。ずっと家の中を行ったり来たりしていたんです」
フフッと笑いながらコソコソと教えてくれた。