第25章 決戦と喪失
「てか俺の顔見て普通すぐ気付くだろォ……この場の全員、俺らの顔見て言葉失ってたんだぞ。ったく……人の生傷には敏感に反応する癖に見た目に関して本っ当鈍感だなァ……妹ながら心配なるわ」
無事に実弥から妹認定してもらえた更紗は頬を薄紅色に染めて微笑むと、皆をクルリと見回して深く頭を下げた。
「皆さん、本当に生きていてくださってありがとうございます。私はもう治癒も出来ず紫炎の呼吸の技も使えませんが……これからも……皆さんとのご縁を繋いだままでいさせてほしいです」
鬼舞辻を滅したことにより近々鬼殺隊は解散となる。
半年に1度の柱合会議はもちろん、任務も全てがなくなる。
隠や剣士、柱を問わずこれからは各々が望む道をそれぞれが決めて進んでいく。
つまりそれは永遠でなくとも別れがあるということ……
鬼に命を脅かされることなく平穏な毎日を過ごす中で、各々が望む道を進むのはこの上なく嬉しいが、この縁を更紗は失いたくないのだ。
その想いが上手く伝わったのか、杏寿郎がぽふっと頭を撫でてくれる。
「当たり前だろう?皆、住む場所や環境が変わったとて縁が切れるわけではない。たまに皆で集まって楽しい時間を共に過ごせばいい。更紗と俺に関しては夫婦になるので離れることもないがな」