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月夜の軌跡【鬼滅の刃】

第25章 決戦と喪失


「1ヶ月ぶりに愛らしい笑顔を見れたのでな!病床に伏す女子に口付けなど気が引けたのでついだ!」

呆れや照れが充満する部屋で、杏寿郎を半目で睨み続けている実弥が小芭内と共に2人の前にやって来て、胸の中に強制的に誘われている更紗の体を引っ張り出す。

「お前もたまには押し返して抜け出してやりゃあいいんだ……で、俺の顔見て気付くことはねぇかァ?」

無理に引っ張りだされたので更紗の顔は赤いまま杏寿郎は笑顔のまま固まっている……
ひとまず更紗はその熱を冷ますためにパタパタと手で扇ぎながら実弥の顔を見た。
顔と言われてもいつもの優しい表情を向けてくれているだけで、別段変わったように見えない更紗は首を傾げる。

「押し返すなんてそんな……えっと、いつも通りお優しい表情の実弥……お兄さんのお顔です!」

「なっ?!……お前なァ、敢えてこの場を選んで言うかよ」

「おい、不死川!お前いつの間に姫さんから兄貴の座を掻っ攫いやがった?!」

「だぁーー!もう宇髄うっせェ!ってお前らも何だ?何か言いてェことあんならあとから聞いてやるから黙っとけ!」

ぎゃあぎゃあと言い合いが始まってしまい、その発端である更紗は冷や汗を流しながらどうしたものかと助けを求めて杏寿郎を見上げた。
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