• テキストサイズ

月夜の軌跡【鬼滅の刃】

第25章 決戦と喪失


「珠世さんに向かってもらってください。多くの命を救ってくれた子供を死なせられない。早く!」

鬼舞辻への足止めに加え更紗のことにまで気を巡らせてくれるお館様に、2人は薄ら瞳に涙を滲ませて頭を下げた。

「「ありがとうございます」」

「あの子のお陰で多くの命が救われている。柱や継子たちがこの場に全員揃っているのは、間違いなく更紗が起こしてくれた奇跡なんだ。これ以上私の子供たちを鬼舞辻無惨に奪わせない」

いつ何時も子供たちの事を想い慈しんでくれる心は耀哉様から脈々と受け継がれており、鬼殺隊を離れた2人の心に光を灯してくれる。

「姫さん……もう少しで珠世がそっちに到着する。どうか間に合ってくれ、命だけは繋いでいてくれ……」

「大丈夫だ、珠世が絶対助けてくれる。それにあの子は杏寿郎を1人にはしない。杏寿郎が何より悲しむことをするような子ではないからな。必ず……意地でも命を繋げる」

ほぼ祈りに近いかもしれない。
だがそれを言葉にせずにはいられなかった。

今まで多くのモノを失った少女が鬼舞辻のいない世界で穏やかに……優しい人たちに囲まれて笑顔で過ごす姿を見たいから。
/ 1883ページ  
スマホ、携帯も対応しています
当サイトの夢小説は、お手元のスマートフォンや携帯電話でも読むことが可能です。
アドレスはそのまま

http://dream-novel.jp

スマホ、携帯も対応しています!QRコード

©dream-novel.jp