第25章 決戦と喪失
「俺さ、更紗ちゃんが闘う姿見る度に寿命縮む思いしてるんだけど。捨て身の特攻なんてもう見たくないよ」
更紗を庇うように前に立ちはだかってくれているのは、先ほどの剣士たちの捨て身の攻撃を思い出し悲しみを滲ませた無一郎。
「更紗ちゃんって見た目によらず大胆なのね!でも私も見ていてハラハラするわ!あんまり無理しないで?」
抱きとめてくれたのは大きく愛らしい瞳を涙で滲ませた蜜璃。
「すみません。捨て身のつもりはなかったのですが……なぜか私が動くと途轍もない反撃をお見舞いされるんです……皆さん、傷は癒えているだけで失った血は戻っていません。お気をつけ下さい」
「更紗、自分の心配を先にした方がいいよ……煉獄さん、怒ってたっぽい」
隣りにいた炭治郎は不吉な言葉を残して鬼舞辻へと挑んでいき、悲しみを滲ませていた無一郎は首を僅かに後ろへ向けてニコリと笑う。
「一度煉獄さんにみっちりしっかり叱られた方がいいよ!じゃ、俺も戻るから」
傷を癒したはずなのに更紗に向けられる言葉は辛辣なものばかりだ。
「……あ、あのね、皆の傷が重傷になる前に治癒してくれたでしょ?だから……その、皆更紗ちゃんに感謝してるけど心配しちゃってるのよ!だから落ち込まないで一緒に最後まで頑張ろ!」