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月夜の軌跡【鬼滅の刃】

第25章 決戦と喪失


「この子の意見は聞かなくていい。君1人だと押し切られると思うので、数人の隠の方を呼んでおいてくれ。更紗、隠の方を困らせるな。分かったか?」

反論したそうな更紗の表情に苦笑いを浮かべながら頭を撫で、返事を聞く前に杏寿郎は鬼舞辻の元へと戻っていってしまった。

「あ、あの。他の者を呼んできますので少しこちらでお待ち下さい。えっと……動かないで下さいね」

「……お約束しかねます」

誰が1番可哀想かと言われれば間違いなく更紗を抱えている隠だ。
炎柱には押さえ付けておけと指示され、紫炎柱はその指示を良しとしていないのだから。

どうしたものかと涙目になっていると、見慣れぬ青年が険しい表情をして歩み寄ってきた。

「お前が今合流したところで足手まといだ。まず体調を整えろ、お前なら容易く出来るだろ。反則的な特異能力を活かせ」

「愈史郎様……今は力を発動していないので造血薬で問題なく体調は戻ると思うのですが、残りが僅かなのです。私に使う分は残っていません」

杏寿郎が更紗をここに押し止めた理由、その理由を理解しているからこそ胸の内で納得しきれない更紗。

杏寿郎は更紗が造血薬を自分のために使用しないと分かっていたのだ。
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