第24章 凄惨と合流
「炭治郎さん!……呼吸も心拍も弱い。傷よりも先に鎮静剤打たないと」
現在、更紗の抜けた穴をしのぶとカナヲが受け持ってくれている。
しのぶたちがいた場所は地上から距離があったらしく、瓦礫の隙間から這い出すのに時間がかかった……と隣にいる村田が説明してくれた。
「炭治郎助かるよな?!長い付き合いなんだ、どうか助けてくれ!」
「助けます。毒さえどうにかなれば傷は致命傷ではありませんので……」
何より炭治郎を瀕死に追い込んでいるのは鬼舞辻の毒である。
鬼舞辻が言うには鬼にはしないが、人間にとって毒でしかない己の血を大量に傷口から注ぎ込み細胞を破壊して死に至らしめるらしい。
本拠地内で初めて鬼舞辻と交戦した時はまだ完全に回復していなかったので柱たちも死なずに済んでいたが、今は状況が違う。
初めて交戦する前、そしてここに至るまで多くの剣士たちの命を喰らい完全に復活を遂げてしまったのだ。
毒の濃さも生易しいものではなく、杏寿郎たちはもちろん自己修復力の高い更紗であっても皮膚が変色し身体中に痛みが走っている状態である。
「村田さんは炭治郎さんにこのお薬を飲ませ……れないですね。この注射器で鎮静剤を打ち続けてください。その間に私が体の怪我を治します」