第24章 凄惨と合流
「少し前に目が覚めたんだ。禰豆子のことだけが気掛かりだったから、それだけお館様に伝えようと思ってね」
今にも倒れそうな耀哉様を支えようと天元が立ち上がったが、それを耀哉様が手を前に翳して止めさせた。
「私は大丈夫だから引き続きあの子たちの警護を。ここは君たちが頼りなんだ、頼んだよ?」
「「御意」」
2人の返事を聞くと耀哉様はあまね様に寄り添われながら元いた部屋へ続く廊下を歩いて行った。
そして部屋内では禰豆子を好きにさせておく判断が下され、引き続き情報の取り纏め及び指示を出すという本来の姿を取り戻していく。
「耀哉様が目を覚まされた。後は杏寿郎たちが鬼舞辻を倒し無事に戻るのを待つだけだ」
「そうだな……夜明けまで後1時間か。何て事ない日の1時間はすぐ過ぎるってぇのに、今からの1時間は長いな。竈門も危険な状態だし、姫さんの治癒と鎮静剤が間に合えばいいが……」
月は随分と西へ姿を消しているがまだ太陽の片鱗すら見えない。
真っ暗な空の下、命を落としていった多くの尊い命に冥福を祈りながら、今も尚戦闘を繰り広げている者たちが無事に戻るようにと、ただただ願い祈った。