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月夜の軌跡【鬼滅の刃】

第24章 凄惨と合流


更紗に光明が差し始めた頃、本部でも動きが出た。

お館様が指示を出す声や鎹鴉が伝える報告の声以外静まりかえっていた一帯に破壊音が響き渡ったのだ。

「なんだぁ?!おい、旦那!今の音って……ぁん?!竈門禰豆子じゃねぇか!部屋飛び出しやがったぞ!」

「……鱗滝殿が後を追っているか。お館様、禰豆子が外へ飛び出しました。如何なさいますか?」

元柱とは言え鱗滝は歳を重ねている。
2人が確認した限りでは禰豆子は人間に戻っている様子は感じ取れなかった。
普通の女子なら鱗滝が追い掛けてもすぐに捕捉出来るだろうが、鬼の女子など現柱か天元でないと追いつけないはずだ。

「……何だって?禰豆子が」

決めかねているお館様の決断が出た時にすぐに追い掛けられるよう天元は腰を浮かせて構えたが、それを実行するには至らなかった。

「禰豆子はそのまま好きにさせて構わないよ。彼女は彼女にしか出来ない役割を果たすためにここを出て行ったから」

聞き覚えのある……柱全員が尊敬してやまない尊い人の声が縁側にいる2人と、大好きで生きていて欲しいと心から願ってた部屋の中にいる3人の耳に響いた。

「お館……耀哉様、目を覚まされたのですか?!」

腰を浮かせていた天元やお館様へ声を掛けていた槇寿郎が後ろを振り向くと、あまね様に支えられた耀哉様が苦しげに呼吸を繰り返しながらも、いつも通りの穏やかな笑みを浮かべて姿を現していた。
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