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月夜の軌跡【鬼滅の刃】

第24章 凄惨と合流


紫の炎が何もないはずの場所から噴き出し確実に鬼舞辻の体を切り刻んでいくが、何故かいっこうに肉塊と化すことがない。

(どうして?!手応えはあるのに!)

「小賢しい。貴様を殺せば柱を縊(くび)るなど容易いと分かっていないようだな」

「馬鹿にしないで!私の力なんて気休め程度にしかならない!私がいなくなっても鬼殺隊は鬼舞辻無惨、お前を縊り殺します!」

聞くことすら煩わしいとまるで耳元の蝿を叩き落とすように、更紗に向かって触手が尋常でない速度で迫り寄って来た。

すぐに訪れるであろう衝撃や痛みに身構えたが、それらの代わりに温かな腕が腰に回され背後へと運ばれ金と優しい赫が更紗の視界に広がる。

「無事だな?!」

「はい!ありがとうございます」

地面に下ろされ鬼舞辻の方を確認すると、新たに到着した無一郎と行冥が更紗の代わりに日輪刀で触手の攻撃を受け切っていた。

「力を補充していてくれ……心苦しいが君の力が必要だ」

そう呟く杏寿郎の顔は苦渋に満ちており、本当は力をあまり使わせたくないのだと見て取れる。
だが更紗が柱になったのは自分の判断で生まれ持った力を存分に発揮し、鬼殺隊の剣士たちを救うためだ。
望まれて喜びこそすれ辛くなることなどありえない。
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