第24章 凄惨と合流
「じいちゃん……」
「あんま喋んな!体破けちまうぞ!」
更紗たちが分断される少し前、善逸は自分1人の力で元兄弟子であった獪岳……上弦の陸から辛くも勝利していた。
獪岳の血鬼術によって重傷を負い命の危機に瀕していたところ、伊之助を始め雑魚鬼を薙ぎ倒してきたしのぶやカナヲと合流を果たし、しのぶの手によって無事に一命を取り留めた。
「あんまりそんなこと言うなよな!不安になるだろ!」
「うっせー!室田だか村田だか分かんねぇが……てめぇは大人しく寝坊助運んでろ!」
「伊之助君、村田さんですよ。そんな事ばかり言っているとまたカナヲにお尻ペンペンされますからね」
その言葉に肩をびくつかせた伊之助が恐る恐るカナヲを見遣ると、何故だか満面の笑みを浮かべて頷かれてしまった。
と言うのも、善逸と伊之助たちが合流する前、取り敢えず安全な場所へ移動させようと村田が善逸を背負い移動をしていたところ、奇跡的な確率で再会を果たし……感動の再会となるはずだったのに、なぜか伊之助が村田に飛び蹴りを噛ましてきたのだ。
それに怒ったカナヲが伊之助を抱え込んで全力のお尻ペンペンをお見舞した……経緯があった。
「お、俺は怖くねぇぞ!カナヲのお尻ペンペンくらい避けて」
バキバキッ
突如破壊音が伊之助たちの耳を刺激し土煙が舞う。
また上弦の鬼ではと緊張を高めそれぞれが日輪刀を構えた。