第24章 凄惨と合流
「これは……愈史郎殿によるものか?!」
「い、いえ!明らかに鬼舞辻の声に反応して動き出しましたし、まだ私たちが分断されていない現状をみるとせめぎ合っている……のではないでしょうか?愈史郎様と鳴女が何かしら闘ってるのだと思います」
今のところどこかへ続いている廊下の前後の景色が変わっているだけだが、せめぎ合いが起こっているならばいつ何時……誰が何処に強制移動させられるか分からない状況だ。
「つまりこれは我々にとって良くない兆し……鬼舞辻とも離された今、個々に飛ばされては厄介だ」
景色が変わっているという事は鬼舞辻の姿も隠されてしまったことを意味している。
ほぼ無傷の柱4人で相手をしていても傷1つ負わせられなかったのだ、個々に相手をさせられれば死は免れないだろう。
「更紗、俺の腕の中にいてくれ。君を1人行方不明にさせられん。意味は分かるな?」
「はい。では失礼しま……ひっ?!」
更紗が杏寿郎の腕の中へ移動した瞬間、更紗を連れ去ろうとしていたかのように壁が出現し、義勇たちの時と同じく分断されてしまった。
「皆さん……絶対に見つけ出します!だから……絶対に生きていて下さい!帰ったら私を叱る約束、守って下さい!」
「……締まりねぇなァ。分かったからお前らも死ぬんじゃねぇぞォ!互いに何が何でも守り抜けェ!」
返事を声に出そうとした。
しかし、それは叶うことなく強制的に飛び出してきた壁に押され、その場を後にするしか出来なかった。
まだ地上も遠く夜明けも遠い。