第24章 凄惨と合流
「月神!こちらは私たちに任せてくれ!君は当初の目的と後輩たちの救護を!」
「はい!必ずやり遂げます!」
そうしてどこまでも続く穴から廊下へと身を滑らせたところで、もう1人の声が響いた。
「しっかり気を張り巡らせておけ!1人飛ばされては洒落にならんぞ!」
「大丈夫です!私のことは気にせず、皆さんは鬼舞辻無惨の相手をして下さい!この方たちの無念を晴らして!」
鬼舞辻はまず間違いなく上弦の鬼より遥かに高い戦闘力と再生能力を持ち合わせている。
そんな規格外の化け物と闘う皆へ、更紗は少しでも苦しみを取り除けるようにとそれぞれの体に白銀の膜を纏わせた。
「皆さんが闘って下さっている間に、珠世様や生存者を助けないと。私も闘わなきゃ……」
皆が戦闘を繰り広げている姿を目に焼き付け、更紗は辺りを見回して愈史郎の願いを叶えるべく珠世の姿を探すが、目の前には数え切れないほどの剣士たちの無残な亡骸が横たわっている。
生存者の方が遥かに少なく、その生存者でさえ既に虫の息で瀕死の状態だ。
更紗は迷うことなく鞄から栄養剤を掴めるだけ掴み取り、次々と腕に刺しては空になった注射器を放り投げ……を繰り返し容赦なく体に力を蓄積させていく。