第24章 凄惨と合流
鬼舞辻が落下してくる更紗たちを視界に入れると、信じられないものを見るように顔を歪めた。
それもそうだろう、自分から遠ざけてきていたはずの柱たちが、5人も鬼気迫る勢いで迫り寄ってきているのだから。
更紗たちも何がどうなってここへ落とされたのか詳細は分からない。
分かっているのは愈史郎が本拠地内を変形させていた鬼と接触し、何かを行っていると言うことだけだ。
鬼舞辻にとって想定外の事柄が目の前で起こっているが、戸惑いを見せたのは一瞬。
その一瞬後には更紗たちから視線を外し、厭な笑みで顔を満たして本拠地内を見据えた。
その視線の先には柱たちより遅れてこの場に送られてきた一般剣士たち……鬼舞辻が何を考えているのか分かり、全員が目を見開き技の構えを取る。
「やめて!殺さないで!」
更紗の願いなど鬼舞辻が聞き入れる訳がない。
皆の技が鬼舞辻に届くことなく、更紗の願いも届くことなく……無情にも目の前で無慈悲な殺戮が繰り広げられてしまった。
辺り一面に広がる悲しい赤と痛い匂い。
それら全てが全員の逆鱗に触れ、行冥を筆頭に次々と技を放ち鬼舞辻の攻撃から剣士たちを守っていく。