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月夜の軌跡【鬼滅の刃】

第23章 上弦と力


何をしようとしているのか……玄弥が悟った時には視界が真っ赤に染まっていた。

「やめて……くれ。お前が……死んでしまう」

玄弥の視界を赤く染めたもの、それは更紗の腕から溢れ出し飛び散った血液だった。
それが玄弥の体に降り注いでいるのだ。

鬼は人の血肉を糧に力を付けていく。
その量が多くなればなるほど強くなり……やがて血鬼術という強大な力を身に付ける。
果てにはその強さを見込まれ下弦の鬼、上弦の鬼へと鬼舞辻無惨によって更なる強さを与えられ、体の再生速度も桁違いに早くなるのだ。

鬼へとなるには鬼舞辻無惨の血が不可欠と言うことは、更紗の血を玄弥に分け与えても鬼になることはない……はずである。

「大丈夫……私には薬があります。玄弥さんは……再生に心血を注いで下さい……私は稀血ですので……玄弥さんの体の再生に役立つ……と思います」

この鬼の本拠地に落とされ何度も腕を切ったり足を針で引っ掻いたりしたが、目に映る傷は今までの比ではない。
血が溢れ出ているので辛うじて見えていないものの、間違いなく骨まで到達するほどのものである。

その甲斐あってか玄弥の出血は完全に止まり、体も徐々にではあるが再生しつつある。
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