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月夜の軌跡【鬼滅の刃】

第22章 開戦と分断


その様子を思い浮かべ吹き出しそうになるが、あの時はあの時で本気で悩み落ち込んでいた更紗を笑うのはしのびなく、僅かに笑みを零すだけにどうにかとどめた。

「そうだな!栗花落少女は必ず胡蝶のそばにいるはずだ!あと、頼むから手足がもげていない状態で側にいてくれ!考えるだけで身が凍る思いになるからな!ん?更紗、そこの障子の向こうに鬼がひしめいている……倒せるか?」

杏寿郎の切り替えの早さは目を見張るものがあるが、そんな杏寿郎に育てられた更紗はそれに順応している。
柔らかだった雰囲気を瞬時に引き締め、更紗は日輪刀の柄に手を当てて親指を月型の鍔へと持っていった。

「手足は言葉の綾ですのでご心配なく!五体満足で……全ての鬼を殲滅してまいります。暫くお待ち下さい!」

相変わらず障子を開け放つことなく技を放ち、容赦なく全ての鬼の頸を斬って塵へと変化させていく。

「ふむ……阿修羅か。言い得て妙だな。よくもまぁ、普段とこれほどまでに雰囲気を変えられるものだ」

小さな呟きはもちろん更紗の耳には届いておらず、本人は普段通りの柔らかな雰囲気を漂わせながら日輪刀を鞘に戻して帰ってきた。
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