第22章 開戦と分断
更紗と杏寿郎が合流しようとしているとは露知らず、しのぶは4日前の夜から永遠と側を離れようとしなかったカナヲと行動を共にしていた。
「やはりカナヲの不思議な行動は更紗ちゃんの影響でしたか。貴女らしくない行動だったので驚きましたが、そのお陰でこうしてカナヲと動けているので、今となっては感謝しかありませんね」
そしてカナヲは更紗の案を忠実に遂行し、無事しのぶを1人にすることなく行動を共に出来ていた。
「はい。更紗ちゃんは師範と同じことを炎柱様に言われたら、迷惑がられても炎柱様の側を離れないと言ったので。私も……師範と一緒に闘いたい、1人にしたくなかったから……ずっと側を離れなくて良かったって思います」
何がきっかけだったのか、しのぶにも分からない。
いつの間にか……カナヲは今までとは比べ物にならないほどに感情を表に出し始めた。
「そうですね。それにしてもカナヲの同期はいい子ばかりね。私を大切にしてくれるのは嬉しいけれど、炭治郎君や更紗ちゃんたちも大切になさい。鬼との闘いが終わっても、困った時は互いに助け合うのですよ?」
カナヲと行動を共にしていても、どことなく死を覚悟しているようなしのぶの言葉はカナヲの胸をきゅっと締め付ける。