第22章 開戦と分断
庭に降り立って更紗が天元へと返事を返した後、2人の目に飛び込んできたのは棘のようなもので体を貫かれ身動きが取れない……鬼舞辻無惨のようなモノ。
それは首がないにも関わらず、動きを止めていないどころか再生しつつある。
そしてその腹に1人の女性が自らの手を突き刺していた。
女性に見覚えのない杏寿郎は首をかしげながらも日輪刀を抜き出し、首のないモノに斬りかかろうとしているが、女性が誰か認識した更紗の表情は絶望に歪んだ。
「珠世様!杏寿郎君、あの方が研究を助けてくださった方です!」
「何?!……救わねばならんな」
更紗の言葉に反応した杏寿郎は、日輪刀を抜いた更紗と共に速度をあげると、目の前に何とも心強く頼もしい顔ぶれが勢揃いした。
杏寿郎が集合要請をかけた全柱と自身の継子たちが、鬼気迫る勢いで首がほぼ再生したモノへと日輪刀を振りかざしているのだ。
「来てくれたか!更紗、皆と共に……?!」
皆の存在に2人が安心したのも束の間、全員の足元に更紗には見覚えのある障子がそれぞれの体を飲み込まんとするように、大きく開いて出現した。
「嘘?!このままじゃ」