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月夜の軌跡【鬼滅の刃】

第22章 開戦と分断


「お館様たちをお願いします!」

その返事を杏寿郎から聞く前に、全身が猛烈な爆風や爆音、熱いなんて生易しい言葉では言い表せられない……激しい痛みを伴う炎に襲われた。
だが、それをものともせず杏寿郎はお館様とあまね様の元へと駆け寄り、その腕に2人を抱え込んだ。
更紗も庭で吹き飛ばされる寸前だった子供たちを庇うように抱きかかえ、気絶しそうな痛みを堪えて足を動かす。

既に銀色の粒子の膜は全員に滞りなく掛けているが、焼かれては治癒されを繰り返しているので……下手をすれば死ぬより辛い思いをさせているのかもしれない。

(誰もまだ亡くなってない!まだ助けられる……痛いけど、動かなきゃ)

先導する杏寿郎をしっかり瞳に映し、火傷や傷を負う背中、お館様やあまね様へ治癒を施し続け、子供たちにも途切れることなく治癒を施し続ける。
激痛に堪えながら子供たちが血塗れの更紗を見上げてきたので、安心させるように笑顔を返した。

「大丈夫です、皆さんは必ず守ります。もうすぐ痛みも完全になくなりますので、しばらく我慢願います」

2人が塀を乗り越えようとした頃には爆弾による全てが終息しつつあり、そこに残されているのは爆発をモロにくらった鬼舞辻無惨だけとなった。
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